変わらぬ想い


(アルベルト・・・)

瞳を閉じれば、そこにはいつも君の笑顔。
ヒルダ・・・


君はいつも笑っていた。

俺がどんなに我儘を言おうとも、変わらぬ笑顔はそのままに、いつも傍にいてくれた君。

その君はもういない…



(アルベルト、あなたのは我儘って言わないのよ。どうして、こうも頑固なのかしら。)

俺が何かしら無理を言う度に、君は眉をひそめては、呆れたようにこう呟いていた。

(…しかたないわね。そんなあなたのことを愛しているんだもの。あなたの全てが大好きだわ。)

そうして、また君は微笑む。



その瞬間、俺は幸せに満たされる。



君と過ごす何気ない日常。

ささやかな幸せに満ち溢れた日々。

ゆったりと流れる穏やかな時間。

何よりも掛け替えの無い大切な―



俺は自分の両手でそれを粉々に砕いてしまった・・・



鳴り響く銃声、怒号の声。

全身に広がる銃創。

痛みに軋む俺の身体。

そして、君の最後の笑顔・・・



俺の我儘に付き合った揚げ句に、君はその命を散らしてしまった。



(あなたが無事で良かった・・・)

最後のその瞬間までも、こんな俺に微笑みながら。



ヒルダ・・・

俺だけがこんな体で生きながらえてしまった。

君の命を奪った俺が、のうのうとこの腐りかけの体で今ここにいる。

俺の存在、この唾棄すべきもの。

どれほどこの世界から消してしまいたかったか。



ヒルダ・・・

今も君は笑顔でいるのだろうか。

こんな俺のことを今でも見守っていてくれるのか?



(あたりまえじゃない。どうしてそんなことを考えちゃうのかしら。まったくもう、しょうがない人ね・・・)



俺のことを抱き締める柔らかい腕。



君は今でもここにいる。

俺の心の中に永遠に。




-Fin-


アルベルトへのメッセージ・・・「アル様、お誕生日おめでとうございます〜心からこう叫ばせていただきますvv」